日曜コラム アメリカの友人からのメール
アメリカのジュニアボーディングスクールのアドミッションオフィスに勤務している
友人からメールが来ました。
彼は毎年11月に日本にやってきます。
それが10年くらいの彼の習慣になっていましたが、
今年は、連絡がないまま12月を迎えてしました。
彼は、スシが大好きで、来日のたび、エクセレントなスシバーに行くのを
とても楽しみにしています。
また、私がボストン近郊の彼の学校を訪問するときは、
日本人生徒全員を引き連れて、私たち訪問者とともにランチを日本食レストランで
とることもしばしばあります。
食べ盛りの日本人生徒たちは、ここぞとばかりみなスシと丼ものをダブルで
注文して、空腹を満たします。
そのような子どもたちを私の友人は満足そうに見つめ、
OK, guys. Get back to work! というと、生徒たちもYes, Sir.のノリで、
彼の運転するバンに乗り込みます。
今年、彼が11月に日本に来られなかった理由は、彼のお母さんの手術のためでした。
メールには、hip replacement(人工股関節全置換術)とありました。
お母さんのお世話などでいつもの予定が大きく変わったのでした。
幸いなことに、手術は成功して経過は順調、彼の来日は1月か2月になりそうです。
私は彼に、特別養護老人ホームにいる私の母と週末、車椅子で散歩していることを
伝えると、彼は、「俺たちは母の面倒を良く見るいい息子たちだな」と
すなおな気持ちの返信がありました。
私は彼の学校に生徒を紹介するのが教育コンサルタントとしての仕事ですが、
生徒と学校のマッチングがとても重要であることは言うまでもありません。
また、日本人生徒の数も多すぎてもいけません。
友達だから融通をきかせてもらいどうにか入学させてもらうことはありません。
仕事に関して、お互いプロとしてのプライドと責任があります。
それを言わなくてもわかるので友だち関係が長く続くのでしょう。
私も彼もお互いの共通点は、「スシ」好きであること、教育にとても関心があること、
子どもたちと接することが好きなこと、そして、おたがいの母にとって
良い息子であることです。
彼が来日し、仕事を終えたら、私が探したカジュアルで、フレッシュで、
とてもポピュラーなロー・フィッシュ(鮮魚)のお店に彼を連れていきたいのですが、
1月から2月にかけて、2度ほどの学校訪問の予定があります。
彼にそのスケジュールを告げると、「OK、この日を避けて日本に行くことにするよ」
とのことでした。
海を越えた友だちを私は大切にしたいと思っています。