A Whole Studentという考え方-ボーディングスクール
日曜日にテンスクールズの一つ、Taft Schoolのレセプションが東京、港区、麻布の
アメリカン・クラブで行われました。
Taft Schoolはテンスクールズの一つで、その入学難易度が極めて高い、
私のボーディングスクールランキング最高位、ランク5の学校の一つです。
1時間ほどのレセプションでしたが、司会進行役は、
留学生担当のアドミッションスタッフのTamara Sinclairさんでした。
彼女はTaft Schoolを2005年に卒業したそうですから、
まだ30歳にはなっていません。それでも、留学生のアドミッション(入学審査)を
任されて、アジア、ヨーロッパ、南米など、世界を旅しています。
どの学校にも、それぞれのモットーがあります。
Taft Schoolのそれは、今日の表題にもある、educate a whole studentです。
一般的には、whole personと用いられて、全人教育ということですが、
全人とは一体、どのような人のことをさし、
またwhole studentとはどのような生徒なのでしょうか。
全人学生とは、良い人格を持った学生ということになると思います。
人格というのは、単に学習面で優れているということではありません。
社会性、情緒、個性、性格など、人としてのバランスが
整っているという意味になると思います。
Taft Schoolはテンスクールズの中でも総生徒数が568名とテンスクールズの中では
少なく、Tamaraさんによると大きな家族的な学校、
生徒と先生の関係が緊密なだけでなく、上級生はみな優しく親切で一体感がある
ということを強調されていました。
その校風ゆえに、自分の個性、特性が尊重され、伸ばされるということになり、
それが全人学生という概念に結びついていくのではないかと思います。
Taft Schoolが求めている教育が、完成度の高い「人格」を持った人をつくる
ことを目的としていることは間違えありません。
そのための手段として、少人数制のクラス、人文科目においては、
ディスカッションを基本とした授業、理科、科学の分野においては、
豊富な実験、実証を基にした授業などに集約されると思います。
アメリカ東海岸地方のボーディングスクール、とりわけテンスクールズのなかでは、
Taft Schoolは創立年が1890年と比較的新しく
総生徒数が1000人を超すエクセター、アンドーバーと比較すると、
小規模な学校であることがわかります。
規模がそれほど大きくないゆえに一体感があり、生徒同士の連帯性も強く保たれる
のではないかと思います。
そこで学ぶ生徒の平均SSATパーセンタイルは83だそうですが、
このスコアから類推されるTOEFLスコアは少なくとも90点以上、
一般的には100点以上というのが、英語力の合格の水準になると思います。
テンスクールズのなかでは、学力面での要求は高くないほうではないかと思います。