分業の徹底 - ボーディングスクール
英語圏のボーディングスクールでは、役割の分担が明確です。日本の場合、学校生活にいては、担任の先生が生徒のおおそよすべての学校生活の窓口になるのに比べて、初年度の留学生にとっては、この学校文化の極端な違いは大いなるカルチャーショックをもたらすと言えます。
各教科での質問は、それぞれの先生にすることは、日本と変わりませんが、ボーディングスクールでは、日常の生活がすべて学校で完結するため、先日紹介した担任の先生としてのアドバイザーが週末の外出許可、健康管理、活動参加、スタディーホール(自主学習)、空港までの交通機関の手配などすべてを行うことは不可能です。
英語が不自由な初年度の留学生は、ボーディングスクールの分業のやり方がよくわからず、アドバイザーの先生は自分の担当する生徒の重要事項をすべて把握していて、定期ミーティングで確認してくれる、あるいは指示をしてくれると思う傾向があります。
確かに、日本の学校であれば、担任の先生が、重要事項を管理することは、自明の事柄ですが、ボーディングスクールでは、重要事項の管理はあくまで「自分」であることを忘れてはいけません。
例えば、帰国の日を決定する場合ですが、ボーディングスクールの終了は最終日の授業終了後ということが多いのですが、授業が終わってから、空港に行き夕方から夜の便で帰国の途につくことはほぼできません。従って、国際線に間に合うために早朝に空港につくため、終了日は学校にとどまるのが一般的です。ただし、学校によっては、留学生のみ終了日は午前に学校をでることを許可しているところもあります。
その判断は、アドバイザーではなく、Dean of student、あるいはDean of student lifeなどの先生に直接聞く必要があります。もちろん、気の利いたアドバイザーであれば、生徒と担当の先生の間に入ってくれますが、アドバイザーの先生に都合良く会えないこともありますし、メール等のやり取りであれば、担当の先生に直接のほうが合理的です。
そのほか、寮生活では、Dorm parentsが寮にいるときの世話はしますが、寮をでれば、違った先生の管轄になります。故に、週末のイベントへの参加やオプション旅行への参加など、結局、生徒自身がそれぞれの先生と独立してやり取りをする必要がボーディングスクールでは当たり前になります。
役割分担の違いを理解して、それに適応することで、ボーディングスクールでの生活がとてもわかりやすく、楽しいものになると思います。そこに至るまでに、留学生たちは何度か失敗を繰り返すことになりますが、失敗を恐れることはありません。先生や職員は、異文化を受け入れることにおいては、十分に寛容といえます。