休日コラム トイレの綺麗さ
日本のテレビ番組、ある時代劇の主人公の武士(渡辺謙さんが演じていました)が、
武家の厠(トイレ)について、幼少のころから、不浄な所であるゆえに、
常に清潔に保たなければならないと教えられたと言っていました。
トイレの清潔さは現代の日常でもとても重要に思います。
ボーディングスクールでトイレが汚れているところはありません。
訪問者が利用するトイレは、アドミッションオフィスの建物にあるものですが、
私は今まで不衛生なトイレを見たことがありません。
ボーディングスクールのランキングにかかわらず、皆とても清潔で清掃が行き届いていて、
快適であり、一点の汚れもないと言っても過言ではありません。
清潔、快適だけでなく、空間の使い方や間取りがとても洒落ていて、
いわば、プライベートルーム仕立てになっています。
おそらく、ボーディングスクールの管理者は、ビジターの印象として、
トイレが重要な役割を果たすことを理解しているのでしょう。
この点においては、日本の中学、高校はボーディングスクールには遠く及ばないと思います。
日本の私立中学、高校にはたまにお邪魔する機会があり、時トイレを利用したことが
ありますが、その空間が殺伐としていて、スリッパなどが散らばり、
手洗いの場所も何の工夫もありません。要するに、用を足すだけの場所です。
一言でいえば、ビジターを意識していません。
アメリカの場合、ホテル、レストラン、ファーストフード店、ガススタンドなど、
トイレの清潔さと快適さレベルはそのまま、施設の品格につながると思います。
ホテルやレストランでトイレが清潔、快適でないところは、
すべからく成長は期待できないでしょう。
ガススタンドやファーストフード店などのトイレは、清潔・快適とは言えませんが、
それでも成り立つのは、目的が明確に異なるからに他ならないと思います。
日本でもホスピタリティーが確立されているかどうかは、トイレを見ればわかると思います。
私は、母が特別養護老人ホームに入居しているので、週に1-2度は
その施設を訪れますが、そこのトイレが清潔、快適なことに感心しています。
しかしながら、空間の使い方はボーディングスクールのほうが上手です。
留学生のご家族の皆さん、そしてこれから学校訪問を計画している皆さん、
ボーディングスクールの評価の一つのポイントをトイレにしてみるものいいかもしれません。