ボーディングスクール―長期休みの過ごし方について
11月になりました。9月上旬にアメリカのボーディングスクールに入学した生徒にとって初めての長期休み、Thanksgiving Beakが11月の最終週から始まります。休みの期間はおおよそ1週間ですが、この期間の過ごし方は生徒自身が決めることが基本となります。
日本にいたときは、学校と家、そして塾という3点間を行き来するのが基本であったことからすれば、その変化は劇的なものと言えるでしょう。生徒たちにとって、「どうしたいのか」が問われることになります。日本にいた時には、考えられなかったことです。
第一に、どうするかという行動の方針を自分が決めて、それを関係各位に伝えないといけません。待っていれば、迎えが来て、行くべきところに連れて行ってくれるという状況はほぼ起こり得ないといっていいでしょう。次に、行動することの選択肢ですが、下記のようになります。
① 日本に帰国する
② 友達の家に滞在させてもらう
③ Lexington Prep.(ボストン郊外にある中高生専門の寮つき語学学校)に行く
④ 滞在場所(ホームステイ)を学校慣例以外のエージェントを通じて手配してもらう
上記の選択肢を選ぶ要点は、その時期にあります。留学した本人が沈黙していると、たとえば、日本の担任の先生に相当するアドバイザーの先生やメンター(上級生で本人の生活全般の相談に乗ってくれる人)がどうするかを尋ねてくれるということが期待できないボーディングスクールはたくさんあります。特に高校としてのボーディングスクールの場合、自己手配が当たり前となっているので、初年度留学生およびその家族は注意が必要です。
現実的には、アドバイザーやメンターよりも日本人在校生のほうが的確なアドバイスのみならずどうしたらいいかの相談にも乗ってくれますが、できることであれば、郷に入っては郷に従えに則って行動するほうが、早く現地の生活に慣れて、学習効率も結果的に上げることができると思います。
どこのボーディングスクールでも年間のスケジュールは新学期には発表されます。また、アドバイザーやメンターは、生徒から質問さえすれば、必ずそれには答えてくれます。しかし、こちらから彼らにアクセスしないかぎり、彼らが留学生に配慮してくれることは欧米では一般的ではありません。日本でいうと、そのような「先が読めない人および組織」は憂き目に遭うのが一般的かもしれませんが、欧米においては、おおよそ個人の主体性が文字通り重んじれらるために留学生自身が英語ができる、できないにかかわらず「手を挙げる」必要があるのです。
欧米の文化理解と学校生活、初年度は戸惑うことの多い日本人留学生ですが、彼らには持ち前の忍耐力と適応力の高さで乗り切ってもらいたいものです。