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教育文化比較 あるドイツ人の日本観

<昨日のブログに続きます>
昨日の繰り返しになりますが、「学校に通わないと勉強できない」ということに象徴されている日本的組織論と、組織への所属よりも、そこで個人が何をしたかを問題とされる英語圏、いわば欧米の文化で、思い出されることがあります。
それは、日本の文化をこよなく愛しているドイツ人で、ニュージーランドで教鞭を取っていたひとの現代日本人観です。
その人は、ドイツ語が母国語ですが、英語、そして日本語に堪能でした。どうして日本に興味を持ったかというと、日本文化に詳しかったおじいさんの影響が大きかったと本人は言っていました。彼女は京都に2-3年滞在して日本古来の文化を学生として学習し、漢字もおおよそ中学生程度であれば読めました。
ニュージーランドの高校で教鞭をとり、留学生の募集にも携わっていた彼女が、営業で日本を訪れたとき、生徒募集というよりも、お互いの文化論で盛り上がり、かなり話し込みました。そして私は、「それならば日本で仕事を探し住めばいいのに・・・」と彼女に言いました。
ドイツ語、英語、そして日本語ができるだけでなく、それぞれの文化も理解できる彼女が貿易、語学の分野で日本で仕事を探すことはそれほど難しくはないと思いました。
すると、彼女は現代の日本で「働く気」はないと明言するのです。なぜかというと、
「日本で就職すると、携帯とパソコンを会社から渡されます。私はそれらと引き換えに自分を会社の犠牲にしたくありません。」という強烈な答えが返ってきました。
すかさず、「そんなことはない。個人は日本でも尊重され、会社の自分を売り渡すなどあるわけがない。」と咄嗟には私は言えませんでした。日本で働いている人たちは、組織ということのとらえ方が英語圏の人たちとは根本的に違うために、「個人」の尊重と言いながらも結局は組織に阿っているのかもしれないと私自身も思うからです。
しかしながら、日本の文化を愛するひとが世界にたくさんいて、なおかつ、戦後から世界史上、まれにみる復活を成し遂げた日本は、当然のことながら、世界に誇れる素晴らしいところがたくさんあり、個人が持つ能力も決して低くはないはずです。
故に、私は日本の多くの人が、世界に飛び出してその実際の姿をしり、一人ひとりがどうすべきなのかということを考える時期に来ているのではないかと思うのです。やはり、なるべく多くの人、できれば10代の若い人たちに思い切って1年くらいは日本を出て、海外で生活してもらいたい。
私の行きつくところはいつもそのための支援にあります。

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