#3 Suffield Academy、Cushing Academy、Berkshire School訪問
<前日のブログに続きます>
Suffield Academyのアドミッションスタッフ8名のうち、5名が同校の卒業生であることを先日述べました。自らの卒業校であるゆえに、彼らは入学を希望する生徒やその家族に母校の良いところを余すところなく表現できます。
また、母校の改善すべき点、課題となることも素直にこれからの世代に伝えるのが、アドミッションスタッフの誠意といえます。
ディスカッションやプレゼンテーションは授業だけではありません。生徒募集の際にも卒業生であるアドミッションスタッフに生かされるということが、アメリカボーディングスクールの伝統的教育を支えているように思います。
この学校のDirector of Admissionを14年にわたって務めたTerry Breaultさんは今年、Dean of Enrollment and Finance Aidという立場になりました。自らの経験を後継スタッフに伝えるために、数年は学校に残りますが、アドミッションオフィスの名誉職的な地位であり、数年後には勇退することでしょう。
彼女の経歴をウェブで確認すると、Harvard大学卒、自らの2人の息子さんもSuffield Academyの卒業生とあります。学校の職員であり、卒業生の親でもあるTerryさんは、これからも後継スタッフになくてはならない存在でしょう。
月曜日にはCushing Academy、Berkshire Schoolを訪問しました。
今回、訪問した3校の特徴を一言で表現します。Suffield Academyは、スポーツ系、Cushing Academyはート系、そしてBerkshire Schoolはアカデミック系に特徴のある学校ではないかと思います。もちろん、3校とも留学生受け入れには、英語力や学力の基準があり、その基準を満たさなければ合格はできません。3校ともにSSATスコアの提出は必須です。TOEFLについては、Cushing Academyが45点以上、Suffield Academyが70点以上、Berkshire Schoolが65点以上です。
学力に関しては、過去2年間の主要科目の平均4以上(1-5段階評価)が望ましいですが、それだけの学力がなくても、それぞれの学校の特徴にふさわしい志願者の特性があれば、合格することも可能です。
たとえば、上記の英語力を踏まえてうえで、Suffield Academyであれば、学習意欲があり、スポーツ全般が好きで、そのなかで自己のスポーツ履歴で顕著な実績を語ることができれば、アドミッションスタッフは、その特性を十分に考査します。
Cushing Academyの場合は、たとえば、クラフトメーキングや絵画、陶器制作など芸術の一分野で誇れるものがあれば、その特性をもって、ポートフォリオを作成すれば、合格の可能性はかなり大きくなります。
Berkshire Schoolは、寮生数からしても、施設の充実度からみても、TOEFL100以上、SSATのパーセンタイルは70以上であってもうなずけますが、Director of AdmissionのAndrewさんは現在の3名の日本人留学生の資質をTOEFLだけでは決められないと言います。たとえTOEFLが65点であっても、学習意欲と学習能力がみとめられれば、入学が可能なのです。
個々の生徒の可能性を単に学力だけで計らないという信念がボーディングスクールの教育を支えている、その理念を私自身も再認識できた今回の学校訪問でした。
於シカゴ オヘア国際空港