健康管理から見える現代の子どもたち
昨日はMagnus Healthを取り上げて、ボーディングスクールの健康管理システムについて述べましたが、寮生活を中心としている学校においては、生徒の健康管理についての対応は学校運営のうえでもとても優先順位の高い事項になると思います。健康管理のオンライン化により、情報の精度をあげることは、緊急時の時の対応にも効力を発揮します。
情報の精度を向上させる背景には、そこで学ぶ生徒の医療ニーズの多様性がうかがわれます。今から10年ほど前までは、生徒の健康管理は紙で行われていました。当時の健康管理情報量は今の半分くらいであったように思います。脳震盪テスト、そして必要な服薬を遅滞なく買うための処方箋情報と支払いのためのカード情報などは求められませんでした。
ここ10年ほどで、ボーディングスクールに入学する子どもたちが、過去にないほどのいろいろなストレスにさらされているのかも知れません。あるいは、過激な運動にたいする予防措置が以前にも増して徹底されているのかもしれません。
アメリカ以外の英語圏のボーディングスクールでは、Magnus Healthのようなオンラインの健康管理ソフトは見当たりません。日本の場合を見ても、通いの学校がほとんどであることからしても、生徒の健康状態だけでなく、家族の病歴や健康状態を学校に報告するようなことはありません。
幸いなことに、日本からの留学生の場合、日常生活を維持するために毎日薬を飲まなければいけない生徒はいません。また、病歴や健康状態に関する細かい質問肢の答えはそのほとんどがNo=異常なしであり、日本からの留学生の健康状態は一般的に問題なく、スポーツや特定の運動制限のある生徒はいません。
しかしながら、このような質問にYesと答えて、その理由を事細かく説明する必要がある生徒が現実にあるからMagnus Healthがアメリカのボーディングスクールで健康管理の標準システムになりつつあるわけですから、子どもたちの肉体と精神の健康が社会の変化と共に変わってきていることも事実と思います。
アメリカのボーディングスクールは都会にはありません。そのほとんどが自然のなかにあります。そのような環境で生徒たちが心身ともに健康であってほしいと思います。Magnus Healthに盛られる情報が増えるのではなく減少するような社会であってほしいと思います。