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#6 中等教育の目的 これからの道

<昨日のブログに続きます>
日本の中等教育でのクラス人数は40名程度で戦後からこの数字は変化していません。社会がいくら進歩しても、日本の場合、今も昔も変わらないクラス人数です。
一方でボーディングスクールは1クラスの平均人数は12名ほどです。日本の比べると先生の人件費だけでも3倍の費用がかかることになります。また、教室での主要科目の学習以外でも、体育、芸術、社会活動の機会を盛んに設けています。学校イコール先生と生徒の生活の場でもあるので、寮の改修、改築、あるいは新築も彼らにとっては優先順位の高いことです。
日本では、ボーディングスクールという文化はアメリカそしてイギリスのように定着していませんでした。個性、特性といった個人の資質を伸ばすという方向よりも、均質の教育を多くの人に提供して、基本的には全体の教育水準を向上させることに力を入れているように思います。
日本経済が右肩上がりで伸びている時は、全体思考的な教育が機能したと思います。自社の製品が世界で売れているのですから、日本国内では、それを生産するために良質な管理者と生産者がいて、言われたことを正確に、忠実に実行する人が有能な人ということになります。
しかしながら、日本のプロダクツが永遠に世界で売れるということはありえません。日本製をしのぐような質や価格の製品によって、世界マーケットは塗り替えられてしまいました。
世界が変わっていくなかで、まじめで誠実な日本人気質はともすれば、外国の豪胆で一方的なやり方に委縮してしまい、自己表現や主張がないようにも思われがちです。特に、日本国内のみで教育を受けてきた人にとって、国際という場は、自分の言いたいことの1/10も言えないのではないかと思います。なぜならば、「和を以て貴しとなす」という精神に相反するからです。
これからの教育の根本には、マルチ文化の理解という項目があるべきだと思います。世界という競争の場で自分をいかんなく発揮するために、単一の文化による知識の習得だけでは足りないと思います。
グループ思考が日本の組織では絶対に必要ですが、英語圏では、多くの場合、グループのなかで人に気兼ねせず自己主張をすることが求められます。意識の切り替えを学ぶことも、中等教育時代の大切な項目といえます。
そのためには、中等教育時代に少なくとも1年間くらいは異文化のなかで教育を受け、そこで精神的に強くなるためにたくさんの苦労をすることが、日本の若者がこれからの世界に参加し、その役割を果たすための基本となると思います。

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