#4 中等教育の目的 社会の変化
<昨日のブログに続きます>
今までの日本の学歴社会が大きく変わろうとしています。その変化は、就職時の学歴評価ということに現れつつあるのではないでしょうか。
新入社員を受け入れる側の人達によると、「私」を主語にして語れることが採用の基本にあると言います。すなわち、評論や解説などではなく、「あなた」はこの会社で何を目指して、何を達成したいのかという問いにたいして、私はこうしたいというシンプルで解りやすい説明ができることが必要だということです。
変化に対する対応が今、中等教育の世界で最も求められているのかもしれません。
従来の受験勉強ではなく、総合的な人としての要素を大学までに完成させておくことが今ほど求められる時代はないと思います。
経済の分野に目を向けると、日本のお家芸とも考えられていた電化製品が、韓国に瞬時にして追いつかれ、追い越されてしまいました。原因は多々あるのでしょうが、この現実は誰しもが理解していることです。変化に対する対応が遅れたためにそのような結果になりました。
もちろん、日本だけでなく、アメリカも大戦後の産業の栄華は消滅してしまいました。そして彼らが選んだ新たな方向は金融の世界でした。日本も結局同じ道をたどり、バブル経済崩壊という未曽有の困難を経て現在に至っています。
これだけ社会が劇的に変化しているにも関わらず、中等教育の現状を大戦後くらいの時期と比較してどれだけ「劇的」に変化したでしょうか。
2020年には、英語教育に4技能がもたらされることが確定しているそうです。発想そのものはTOEFLのそれと同じですが、現場の先生や生徒はこの変化をどのように受け入れるのでしょうか。
この大きな英語教育の変化を機に、生徒たちが少しでも学習に対して、興味を持ってくれたらいいと思います。もし、英語という私たちにとっての第2言語をただ受験のための4技能習得とするのであれば、結局、現在の受験英語の世界と大差はないような気がします。ただ、覚える項目と範囲が増える分、できる生徒とできない生徒の格差が広がるのではないかと思います。
中等教育の時期というのは、子どもたちも精神のありかたが劇的に変化する時期ではないかと思います。そのような時期に単なる受験対策としての学習を強いるのでは、教育の改革にはなっていないのではないかと思うのです。
つづく