#1 帰国生との語らい
中学校2年生から高校にかけて、アジアのインターナショナルスクールに通学し、その後アメリカのボーディングスクールに転校した生徒から話を聞く機会がありました。その生徒は、日本では中学、高校と続いている私立の学校に通っていて、夏休みには中学時代を一緒に過ごした友達と連絡を取り、遊んだりもしていたそうですが、今年は日本の同級生が大学受験のため以前と同じようには日本の友達と遊べないそうです。
彼が英語の世界に入ったのは中学校のほぼ半ば、家族の仕事の関係でアジアのインターナショナルスクールへの入学となったわけですが、日本の進学を中心とした学校から英語で授業が行われる少人数クラスの学校への移行は決して簡単ではなかったようです。しかし、年齢が若かったことと、家族のバックアップも安定的に受けられていたので、順当に学校生活もこなせるようになり、2年間の学校生活で英語でのコミュニケーションには不自由をしないまでになりました。
アメリカ、ボーディングスクールへの転校プラン作成、そして実行まで、彼とお母さんとのコミュニケーションを私はスカイプで行いました。1月の寒い時期に本人とお母さんは学校訪問に出かけました。4WDの大きめの車をドライブしてアメリカ、コネチカット州、ニューハンプシャー州、そしてメイン州のボーディングスクール、5校を訪問して、結果的にメイン州の学校への入学を決めました。
今年でボーディングスクール生活も2年目を彼は迎えることになります。
彼は時々、日本の同級生たちをうらやましく思うことがあるそうです。制服をすこしルーズに着て、仲の良い友達と渋谷などで遊ぶことが懐かしく思い出される時があるそうです。東京に匹敵する都市は彼が体験した世界ではないそうです。
ボーディングスクールでの生活と日本の学校との違いを質問しました。
彼は、ボーディングスクールは大きな家族のようだと言います。先生もスタッフも親切で、いろいろな相談にも気軽に乗ってくれます。学校の立地は田舎ですが、その社会で過ごす限り、不安に感じることはないそうです。
彼の日本の友達は、1年先に大学生になります。来年、彼はすでに大学生になった仲間とどこで遊び、何を感じるのでしょうか。「日本の大学生は勉強しない」と言われますが、果たして彼の友達もそのパターンの一員となるのでしょうか。
彼のボーディングスクール、最後の年がもうすぐ始まります。