真冬のボーディングスクール―生徒との再会
今の時期のニューイングランド地方のボーディングスクール訪問は、寒さに圧倒されます。北海道と北日本を除く日本での生活と比べると、雪に閉ざされた世界と言っても過言ではないでしょう。
しかしながら、この厳しい自然のなかで、生徒たちがいかに学校生活を行っているか、また先生や学校管理者の人たちがどのようにしてこの厳しい気候のなかで生徒をやる気にさせるかを目の当たりにできることを考えると、この時期の学校訪問にも価値があると思います。
前回のブログでは、降雪のためのフライトキャンセルでも訪問が順調に行われるために渡航スケジュールに余裕を持たせることを解説しましたが、郷に入りては郷に従えという諺があるように、厳しい自然のなかでそこで暮らす人たちがどのような知恵をもって日常を過ごすかをぜひ訪問する人たちには、見て感じてほしいと思います。
その基本は、前回のブログの繰り返しになりますが、不測の事態が起こってもそれを受け入れて、こころの安定を保つことにあるように思います。日本と違って、アメリカは組織よりも個人の権限が広く、強いように思います。それを日本からの留学生が体験することで、彼らの異文化理解が格段に向上し、彼らの人としての大きさが増すのではないでしょうか。
留学して1年が経ち、自立した生徒たちとアメリカで再会するのは、コンサルタントにとって感動的な瞬間です。彼らの留学前を知っているがゆえに、1年ほどでボーディングスクールに溶け込んでいる彼らに接し、簡潔なやり取りのなかにも成長の手ごたえがあります。
英語力に関しては、渡航前は英語でのコミュニケーションが初歩的段階であったにも関わらず、1年後には、先生や生徒と日常のコミュニケーションは困らない程度まで進歩します。その学習メカニズムは、専門家ではないので解りませんが、ほぼ例学なく留学生は英語力を習得します。
社会的には、とてもたくましくなります。英語力よりもこの力の獲得が長い人生を考えると重要に思います。その本質は、問題解決力、適応力、自己表現力です。異文化での寮生活という環境が、留学生たちの人間力に大きく作用するのでしょう。
つづく