#3週末の過ごし方 - ボーディングスクールでの生活
ボーディングスクール生活の基本は、「生徒たちを忙しくしておくことにある」と多くのアドミッションスタッフは言います。もし彼らのボーディングスクールでの日常が暇であるならば、良い結果を期待できるはずがありません。
しかし、四六時中、彼らに知識を詰め込むような単調な勉強を強いることは、ボーディングスクールの望むことではありません。そうすることで、ハーバード大学をはじめとする世界の難関大学に入学できるとは、ボーディングスクールで教鞭を取る先生たちは思ってはいません。
ボーディングスクールに限って言えば、体育の授業が日常の時間表のなかにはありません。それは、授業が終わってから、夕食までの間にすべての生徒に対して義務づけられる必須事項だからです。
音楽、芸術、社会活動についても放課後の時間を利用してスポーツ同様、生徒がそれらの活動に特化できるようにボーディングスクールではバランスを取ります。
すべては、学ぶことの範囲を広く、深く広げるためになされたボーディングスクールの知恵と考えていいと思います。学びは、机上のみで行われることではありません。日常のなかにも、そのエッセンスはたくさんあり、知る喜びや楽しみは、むしろ教室外にあることをボーディングスクールの先生たちは十分に認識できているのでしょう。
今まで、ボーディングスクールでの1年間の休みと留学生としてのその過ごし方、そしてペアレンツウィークエンドという特別な機会について述べましたが、ボーディングスクールの週末についても、生徒を忙しくさせるためのいろいろな工夫がなされています。
週末を効率よく過ごすために、準備されるイベント、活動、催しは、その多くが生徒による選択制になっています。ショッピングモールに行く、スポーツ観戦、近隣の都市へのツアー、土曜日は午前中に授業、午後はホームあるいはアウェーでシーズン制スポーツの試合をするなど、Keep them busyの精神が生きています。
将に大変なのは、英語のハンディのある留学生たちでしょう。いつ、どのように勉強するかが彼らの大きな課題なのです。
土日といえども、ゆっくりのんびりするわけではなく、何かがある、何かをやるように考えられています。日本にいた時よりも自由時間が減少し、絶えずボーディングスクールという社会のなかで何かをするようにプログラムが動いていくといえます。さらには、ジュニアボーディングスクールにおいては、8年生、9年生、高校としてのボーディングスクールにおいては11年生、12年生に対してリーダーシップという項目が付加されて、学校の中で後輩を指導する役割が与えられることになります。
与えられた勉強をしていれば、それで順調にものごとが進んでいく日本の学校生活に比べると、日々が新しいことに対する挑戦で満たされているボーディングスクールの生活であり、週末です。