#2ペアレンツウィークエンド - ボーディングスクールの生活
ボーディングスクールの1学年間の休みについて解説した昨日のブログに続き、今日は親を学校に招くペアレンツウィークエンドという行事について述べたいと思います。
ボーディングスクールは大学と違って、生徒の年齢も10代初めから半ばと若く、当然のことながら成人とはみなされません。思春期を控えた生徒からその真只中にある生徒たちが、ウィークデイは一般社会から離れた学校という社会で生活をするわけですから、1週間、1か月、そして1学年間の組み立ても一般の学校と同じわけにはいきません。
そのなかで、どのボーディングスクールにもみられるイベントとしてペアレンツウィークエンドがあります。9月に新学期がスタートして、10月中に行われるペアレンツウィークエンドは文字通り、親を学校に招き、わが子を教える先生方と個別のミーティングをもって、学習状況、生活状況を知らせるとともに、授業参観も行います。さらに、土曜日の午後には、スポーツイベントも開催され、その後、土曜日の夜から日曜にかけて親子で過ごし、月曜日に子どもを学校に返すという流れになります。
日本的に考えれば、「五月病」という言葉に代表されるように、4月からの新学期、親元を離れて学校生活を始めた学生たちが5月にホームシック、環境適応不良、自己嫌悪など、不安定な生活状況に陥ることが多い時期です。
日本では、この時期は「忍耐」、「我慢」が重視されるように思いますが、ボーディングスクールでは、新たな環境に慣れるためにも、生徒たちには我慢させたり、耐えさせたりすることなく、親にも積極協力してもらってこの時期を乗り切ろうと考えるようです。
ペアレンツウィークエンドの日曜日と月曜日は親子のフリータイムです。里心がついて別れがより辛くなるとは、彼らは考えません。家族で過ごし、美味しいものを食べて、買い物もして、生徒たちには学校生活のエネルギーを充填させて戻ってくるというのが彼らの考え方ではないかと思います。
多くのボーディングスクールが年明けの2月と4月に親を再度学校に招待するイベントを組みますが、一番大きな親子のイベントは10月のものです。
日本からこのイベントに親が参加するとなると、最低でも4日間が必要なのに加えて、現地までのフライトと学校までの交通機関の手配や、先生とのコミュニケーションの問題もあります。それらをすべてマネジメントしてわが子に会いに行くというのも親にとっては、新鮮な経験になるのではないでしょうか。
はるばる学校までやってきた以上、そこで一所懸命に適応しようとしているわが子の努力を誉めてあげることが親子の絆を強く、太くすることの要と思います。