♯3 ボーディングスクール大学受験―親への質問
<1月8日のブログに続きます>
日本とは異なる大学受験方式のアメリカですが、経済や政治などの情報は逐一日本にもたらされますが教育に関する情報はそのようなわけにはいきません。大学受験の際、専門のカウンセラーから生徒の親に発せられる質問をみても日米の大学受験
の在り方の違いが良く解りますが、そのような教育事情が日本にもたらされるのは稀なことのように思います。
火曜日に引き続き、親への質問事項について解説します。
Please relate an anecdote that reveals your child’s personal
qualities, strengths, or accomplishments.
我が子の個性、強み、あるいは印象深い出来事について述べてくださいという質問肢です。もちろんこの質問は学業に限定されるものではありません。日常生活のなかで忘れえないことや我が子特有の性格、行動について親の意見を求めています。
Please let us know if your child has faced any personal challenges or difficult experiences ? family situations, moves, illnesses, losses—that might have affected his/her performance in school.
この質問のchallengesの意味は、挑戦というよりも苦手なことに対する取り組みです。Family situationsとは、具体的には離婚問題が筆頭に挙げられると思います。その他、引っ越し、病気、何かを失ったことに対する喪失感などで、本人の学校生活に大きな影響を与えたことがないかどうかという質問です。
そのようなことを慮るのが本来の教育ではないでしょうか。
本人のやる気に火をつけるのがボーディングスクールの教育理念の根底にありますが、そのために生徒自身を知ることにボーディングスクールが熱心であることがこの質問からうかがい知ることができます。
Do you give us permission to discuss these private issues with college admission staff if necessary?
さてこれらの個人的事情を進路指導担当者が取り上げて受験生と話しをすることを許可するかという質問ですが、個人情報の取り扱いについての配慮が感じられます。
Please let us know of any special circumstances that need explaining, such as a learning disability, language other than English spoken at home, foreign schooling, repeating a year, etc.
この質問は大学受験に限らず生徒の学習特性を知るうえで重要な要素になると思います。生徒の良いところのみでなく、教える側に知っておいてもらいたい本人のいわば欠点についても知らせるという姿勢は、生徒を保護するためにも重要なことと思います。
つづく