#8 出願完了から合格発表まで―ボーディングスクールの出願プロセス
ボーディングスクールへの出願は長期にわたります。合否の基準も日本の入試とは大きな違いがあることを今まで述べてきました。そして、出願に必要なすべての書類、試験、そしてインタビューを終えれば、3月上旬の合否の結果を待つことになりますが、この間にも、出願者は自分の担当者に補足情報を送ることが可能です。
たとえば、学校での顕著な表彰、活動、出来事などをアドミッションの担当者に伝えることは禁止事項ではありません。日本であれば、選抜を公平に厳正に行うという趣旨から、出願者が規定の手続き以外のことを行うことは受け入れられないことです。出願、試験、合否の発表までがボーディングスクールほどに長くはありませんし、合否発表の前に、出願校に連絡して、自己アピールをすることは、日本の入試の常識であれば、「ご法度」として、一蹴されることでしょう。
その点、ボーディングスクールにおける入試は、自己アピールについては、なんでもありといえるかもしれません。日本では、組織が重視されるために、平等や公平という概念に合わないものは、排除される傾向があります。しかし、アメリカでは、組織よりも個人が優先されるために、アドミッションの担当者と出願者の関係は、かなり自由です。
また、コンサルタントも単に出願者に合った学校を紹介し、合格のためにどうしたらいいかをアドバイスするだけでなく、第一志望の学校のアドミッション担当者に出願者の自己アピールの応援をすることも当然のように行われることです。
コンサルタントとボーディングスクールとの信頼関係は、紹介する生徒の質で決まるといっていいと思います。
いずれのボーディングスクールも意欲と実力のある生徒を受け入れたいと思っています。そのために、アドミッションオフィスのスタッフは生徒募集専従者がほとんどです。日本の場合、先生が生徒募集や学校の広報の役割を果たすことも多い中で、ボーディングスクールでは、分業制が有効に機能しています。
彼らは1年を通じて、生徒募集のために文字通り世界を飛び回るといっていいと思います。ですから、優良なコンサルタントからの生徒の紹介は大歓迎なのです。信頼しているコンサルタントであれば、生徒紹介の時点で、すでにおおよそのことはスクリーンされているのですから、インタビューや出願書類についても、確認作業に手間がかからず、確信部分にすぐに入ることができます。
ボーディングスクールのアドミッションスタッフは、有能であればあるほど、多くの信頼できるコンサルタントを自分のネットワークとして持っています。