1 ジュニアボーディングスクールの位置づけ
高校としてボーディングスクールの入学について学校を選び、訪問してみるという過程までを5月20日より概説してきました。ランク5とランク4のボーディングスクールに入学するには、一般的にはTOEFL80点以上の英語力が必要です。では、学力があり、TOEFLが80点以上であれば、ランク4以上のボーディングスクールに入学できるかというと、答えは完全にYESではありません。
常識的には中学時代にTOEFLと学校の勉強に明け暮れて高校からのボーディングスクール留学を目指している生徒は極めて稀ではないかと思いますが、机上のみで培われた知識をランク4以上の学校は歓迎しません。テストの点数では、判断しないのがボーディングスクールのアドミッション方式であるからです。
知識をもとにした学力以外に何が必要かということについては、今までこのブログでたくさん述べてきましたが、やりたいことを持っている生徒がボーディングスクールに向いている生徒と私は確信します。それが何であってもいいのです。このことを自分の核として自分を広げていく、そのような概念がランクに関係なくボーディングスクールにはあるのです。
中学、高校時代、やりたいことが明確でなくても、少なくとも自分に合っているもの、場所、時間、空間、考え方など混沌としながらも、少しずつ「自分」の形成は行われていきます。その過程すべてにおいて、学力評価がついてくるわけですが、自ら考え、自ら行動するということを早期に身に着けるためには、それを学習するのではなく、その必要性を獲得させるという状況が必要ではないかと思います。
獲得させる状況に至る方法論で、良くハングリー精神がテーマに出されます。しかし、今の日本でハングリー精神を発揮して学校生活を送るというのは、机上の空論にしかすぎません。従って、それに代わってシステムが優先されるのではないかと思います。システムとは、繰り返しによる習慣づけです。「なぜ、どうして」を追求するよりも、また、状況的にやらざるを得ないということよりも、やるべきことを時間や場所を決めて学習させる。そうすることで、習慣化が徹底できれば、静かに、スマートに、子どもたちは伸びていくと信じられています。それが日本の受験の実態なのではないでしょうか。
つづく