13 ランク1のボーディングスクールについて
<金曜日のブログに続きます>
ランク2のスモールボーディングスクールについて、先週の金曜日に学校をリストアップしました。ランクが下がるにつれて学校全体に占める留学生の比率が上がり、ランク2の平均値が30%を超えるのがアメリカボーディングスクールの実情です。
ランク1については、生徒のスペシャルニーズより特化したボーディングスクールなのですが、これらの学校群にはESLがありません。そこまで手がまわらないというのが現実ではなかと思います。
セラピューティックスクール(therapeutic school:心療をする学校)という聞きなれない名称のこれらの学校は、LD、ADD、ADHD、ディスレクシア、ディスグラフィアなどの生徒に対応するわけですが、コミュニケーションが不自由であると、本来の目的を達成することが難しいのだと思います。
留学という本題から外れますが、アメリカの教育コンサルタントの集まりである、IECAのコンファレンスやセミナーに行くと、驚くべき数のセラピューティックスクールのブースが立ち並んでいます。アメリカではそれだけニーズがあるわけですが、日本でもこれからいろいろなスペシャルニーズを補うシステムが発達すると思われます。
ただし、日本に関していえば、スペシャルニーズがどのようなものであれ、結局は受験をクリアする方向で進まざるを得ないために、本人の特性を生かすとか、個性を理解したうえで、やる気のでる分野や興味のある分野をより深めていくという方向には進まないのではないかと思います。
日本の場合、「受験」と呼ばれる世界で必要なことは、暗記すること、そしてそれを正確に表現できることです。この単純作業の繰り返しが学習の基礎となり、その上に応用編が築かれるわけですが、そこにはさらなる忍耐と集中と努力が必要となります。それが出来さえすれば、ほぼ失敗なく高得点がとれます。
そこでは、個人の意見や個人の方針などは求められません。「どうしたい」、「どうする」ということではなく、「知っている」ことがより評価されるわけです。知っていれば、その豊富な知識から当然、「このようにしたい」という結論が導かれるということになるのでしょう。
中等教育時代の留学の目的は、「どうしたい」ということを自ら考えだし実行するという習慣をつけることにあると思います。それが自立と呼ばれるのでしょうが、いままで見てきたランク5からランク1のボーディングスクールでどれが留学を希望する生徒に適しているか、英語力だけで判断できるものではありません。
つづく