ボーディングスクール - 学校選定の手順
自分に合ったボーディングスクールをどのように選ぶかということについて考えてみたいと思います。
第一に選ぶのは、出願をした本人であるということです。この当たり前のことが、日本では、中学、高校、大学の選定は、初めにデータや情報があり、それに基づいて対処が展開されるという情報が過度に重視されるように思えることもあります。
アメリカにおいては、データや情報が日本のように豊富ではありません。すなわち、アメリカ人はデータや評判に頼ることなしに、自分自身の判断をもとにして、学校を選択するようです。
また、日本が東京と大阪という2大都市にかなりのものが集中しているのに対して、アメリカではそのような都市はないといえます。
ニューヨークやロサンゼルスは確かに大都市ですが、そこを中心としてアメリカという国が動いているとは誰も思っていないと思います。アメリカは合衆国と呼ばれていますが、州ごとの独立性はかなり高く、社会の機能も日本のように東京と大阪といったスーパー大都市に集中しているということはありません。
日本では、大学選定は就職先データ、高校選定は大学進学先データ、中学校選定は高校進学先データ、そして小学校選定は中学校進学先データといった理路整然とした順序があるのではないかと思います。さらには、偏差値という学力を計るかなり精度の高い物差しもあるので、それを用いれば間違えなく将来が計算できるといった神話的な考え方がまだまだ根強いのではないかと思います。
ボーディングスクールに在学している生徒になぜこの学校を選択したか、また他にどのような学校を受験したかと尋ねると、偏差値的には上位の学校に受かっていながら、そこに行かない生徒がかなり多いことに驚きます。そのような生徒の学校選びの理由は、おおよそが先生やアドミッションの担当者が親切だったとか、生徒がとてもフレンドリーだったなど、訪問時の印象で決めているのです。
ボーディングスクールの場合、選ぶ側が自身の直感や印象を大切にすると同時に、受け入れる学校もかなり鷹揚なところがあります。たとえば、ホームページでは、学校指定の推薦状をオンラインでしか受け付けないと明記されていても、学校訪問時の印象が良ければ、和英共用の推薦状をメール添付で送っても受け付けてくれる場合もあります。また、SSATやTOEFLあるいはTOEFLJuniorなども訪問時の印象によっては、受けなくても良いなどということが実際に起こり得るのです。
このような鷹揚さは、よりすなおに表現すれば「いい加減」ですが、あまりにも「型」どおり、それにこだわっていては、生徒たちの特性や個性を時として見失ってしまうこともあるかもしれません。
つづく