アドミッションスタッフは専従 - ボーディングスクール
ボーディングスクールのアドミッションオフィスで仕事をする職員は、ほぼ授業を受け持つことがなく、生徒の受け入れに専従しています。9年生から12年生の4学年で全生徒数が300名程度の平均的規模のボーディングスクールであれば、アドミッションスタッフは事務係を含めて3-4名といった人員で構成され、留学生の受け入れ担当が決まっている学校もあれば、そうではない学校もあります。
留学生受け入れ担当のアドミッションスタッフは、世界を旅して自分の生徒受け入れネットワークを維持するとともに新規開発も常に行っています。外国からの生徒受け入れに関しては、本国と違い生徒の資質への判定が難しい面があります。
その第一要素は英語力ですが、仮にそれが低いとしても、学力が高ければ、ボーディングスクール生活にもすぐに適応し、半年もすれば英語での生活に困らなくなることを、アドミッションスタッフは経験上知っています。故に、TOEFLやTOEFLJuniorのスコア提出が必須の学校でも、インタビューの印象が良ければ、それらの点数が低いとしても、合格する場合もあり得ます。
主要科目以外の音楽、芸術、課外活動、スポーツなどで顕著な実績があることも、合格の大きな要素となることは間違えありません。その理由は、どのようなことであっても集中力があり一芸に秀でることが、その生徒の将来の可能性を引き出すとアドミッションスタッフは信じているからです。
前回のブログでボーディングスクールの先生たちは、自らがボーディングスクールの卒業生であることも多いことを述べましたが、アドミッションスタッフも全く同じです。彼らの名刺で、自分の名前の後に2桁の数字が書かれてある人は、その学校の卒業年度を示しています。そのような名刺が頻繁にあるのが、ボーディングスクールの世界です。
生徒の受け入れに専従できて、仕事柄、世界を旅することができるアドミッションスタッフですが、若手のスタッフは、家族も学校内に住んでいて、その子どもたちもボーディングスクールで学んでいるというケースも珍しくはありません。彼らの日常は自らが学んだ学校と共にあるといえます。
そのような環境が留学生にとって、彼らの学校の常識を根底から覆し、自らの能力を改めて認識できる場であることも決して珍しいことではありません。