異文化への適応 ホストファミリーとの生活
9月の新学期に備えて、異文化に慣れること、英語力を少しでもつけることを目的として日本の学校を3月に終了後、ニュージーランドの学校に入学した生徒とラインで話しました。
彼のホストファミリーはダニーデンの街を眼下に見下ろす丘にあります。リビングルームとキッチンは合わせて20畳くらいはあります。彼の他にドイツと中国からの留学生がいて、私が訪問した時は、ドイツ人留学生のお母さんも本国から来ていて、さらにはホストペアレンツのご両親も訪問中で10人を超える人々とホスト宅で夕食を共にしました。
にぎやかに食事をしながら、ドイツや中国の事情も聴けるというホームステイは、その生徒に英語習得の絶好の機会を与えてくれるわけですが、英語力のない彼にとっては、家族と過ごす時間は、とても気を使うだけでなく、どのようにしたら相手の質問にきちんと答えられるかを恒に考えなければならない、いわば苦労の時間です。
ドイツから来た留学生の女子は、高校1年生、英語に全く困らないだけでなく、家族の一員としてホームステイに馴染んでいるようです。
中国からの生徒は、寡黙ですが、英語はわかっているようです。共に同じ女子校に通っています。
彼の悩みは、食事と学校での授業のなかで、英語と社会が全くわからないことです。楽しいことは、スポーツ、理科、数学の授業、そして慣れつつある男子校での生活です。
悩みや疑問を解決するのが、コンサルタントの役割ですが、食事への不満は、本人自らがホストマザーに伝えないといけません。本人の不満を私がホストに伝える、あるいは学校の留学生担当者に伝えて対処してもらうという方法もありますが、おおよその場合、ホスト側の反応は、「なぜ直接言わなかったのか」ということになり、お互いの信頼を損なうことになってしまいます。
このホストファミリーの場合、本人の部屋、洗濯、シャワーなどは大きな問題はないようです。となると、いかにして、自分の不満をホストマザーに素直に伝えるかが問題となります。
彼とのラインによる話は、彼のお母さん、私との3人でした。私が彼に教えられることは、自分の意志を相手に伝えることの重要さ、それをするために必要な英語の文章あるいは言葉そのものでした。
私の知る限りですが、英語を母国語とする人たちは、相手から言われない限り、自分から相手との関係を改善するための努力をすることは稀です。故に、彼の食事に対する不満も、ホストに伝えない限り、改善されることはないと思います。
つづく