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#3 教育目標について  ― 魅力のある学校

<昨日のブログに続きます>
これからの教育では、中等教育の時から、学習に関して早期の自立が重視されるのではないかと思います。経済的には、高校生の段階で「自立」は無理ですが、意識の自立は早いに越したことはありません。
意識の自立を早めるということは、高校生で覚えるべき学習課題を前倒しにして中学校でそれを終えて、高校に成ったら難関大学に入学できるための「試験力」を養うということではありません。
もしそうであるならば、予備校や塾といった補助学習機関が正式な中学や高校となり、大学受験に向けて最も合理的に無駄なく試験準備をするのが最良の選択のように思えます。自分の目指す大学に合格するためにきめ細かく学習指導がなされ、それに向けての個別アドバイスや合格戦略があればいいわけです。
そうなったと仮定した場合、真っ先に切り捨てられるのが、大学入試に関係ない芸術音楽科目、そして体育や課外活動といったことになります。
更により重要と思われるのが、それに取り組む生徒たちの意識修正です。「なぜ勉強するのか」、「自分の目指している勉強が今後の自分の人生にどのように影響するのか」といった生徒たちの素直な疑問はおそらく認められません。それを考えたり、求めたりすることは、設定された目標に対して障害になりこそすれ、プラスに作用することはないからです。かくして、中等教育時代の最大の優先順位と価値観はとにかく試験に出る内容の徹底理解と徹底対処ということになります。
このような考え方は大雑把にいえば、1世紀ほど前に萌芽して、日本が第二次世界大戦で敗北して、刷新されることなく、経済的どん底から這い上がるために、より強固になったように思えます。そして、今、日本に訪れた今までに誰も経験したことが無い物質的豊かさと、便利さのなかで、私たちは新たな「教育」に関する価値観を求められていることは言うまでもありません。
日本から出て世界の英語圏の学校を訪問していると、「魅力のある学校とは」と真剣に考えさせられます。どこの国の教育が優れているとか、どの学校がベストという問題ではありません。そこで学ぶ子どもたちがあくまでも元気でこれからの社会に積極的に参加し世界に貢献できるために学校が果たす役割はとても大きいと思います。それ故に、ひとり一人の個性や特性を生かそうという新たな教育での取り組みがなされているわけですが、その言葉だけが自由に闊歩している割には、教育の現実は変わっていないのではないかと思います。
つづく

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