留学コンシェルジュ

#2 教育目標について  ― 魅力のある教育

<昨日のブログに続きます>
日本の大学を選択した場合の数学力を考えて、帰国時には個人授業を受けている現在8年生の留学生について、その指導にあたる先生のコメントは私にとって衝撃でした。
大学入試レベルの数学で何が重要で何を学ぶべきかに習熟している先生が、日本の高校生を指導するのにわずらわしさを感じるというのです。そして、一直線に大学入試レベルの数学力を意のままに組むことができるその留学生への指導がとても充実しているというわけです。
確かに、指導を受けていている本人は、日本の学校に籍を置いていませんから、指導する先生は自分の理想とする学習指導を施せます。
中間試験、期末試験の度にその先生に言わせれば、大学入試への回り道を余儀なくされる日本の生徒と違って、数学の分野に関して言えば、最も効率よく結果に結び付けられるということになります。
日本の場合、初等、中等教育はそれらが独立して機能しているというよりは、高等教育機関への準備にあてられていると思えます。それでも、入試対策プロに言わせると、中学、高校の中間期末には、なかなかペースを合わせられないようです。
この入試プロの意見を参考にして、日本の難関中学、高校を考えています。
難関といわれている高校はなぜ人気があり偏差値が高いかといえば、難関といわれている大学に多くの生徒を入学させることができるからです。
それぞれの難関高校の受験対策は、独自のやり方があるのでしょうが、その授業はあまり一般的にはオープンにされていないようなので、具体的な情報は多くありません。もし、授業が大学入試のための準備であるとすれば、確かに高校での必須学習項目を2年生までに終了してしまい、最後の1年間は自分が目指す大学の入試対策に特化したほうが合理的でもっとも良い結果を出すことになるでしょう。
それをより効率よくするには、高校で学ぶ必須項目を終える時期をより早めて、残った時間で各自の第一志望大学の受験対策を行えばいいのです。日本の場合、大学の頂点にあるのは、東京大学ですから、その入試問題を研究して、万全な対策を考えれば問題は起こりません。東大を頂点として、国立大学、私立大学の入学難易度の序列が明確な日本では、「とにかくそこに入学すること」が何より重要視されることになります。
なぜ勉強するのか、何のために勉強をして、それが自分の人生にとってどのような役に立つのかといった問題は個人が自主的に解決すべきものとして、日本の中等教育レベルではあまり取り上げられてこなかったと思います。
つづく

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