#4 教育の選択肢 小学校のボーディングスクール
<金曜日のブログに続きます>
小学校のボーディングスクールがテーマになっているわけですが、先週の金曜日のブログはイギリスのボーディングスクール(=パブリックスクール)を代表するザ・ナインと呼ばれている難関校をリストアップしました。括弧内の年号は各校の創立年です。
このザ・ナインと呼ばれるボーディングスクールはアメリカのテンスクールズと異なり、おおよそが中学、高校と繋がっています。故に、中学校からの入学に備えるために小学校からのボーディングスクールがアメリカとは違って数多く存在することになります。
それらのボーディングスクールの特徴は、生徒全体に占めるイギリス人の割合が圧倒的に多く中学校からの難関ボーディングスクールに入学するための準備が徹底して行われるということです。
留学生のためのESLクラスはありませんが、小学校の低学年であれば、生活英語の習得にはそれほど時間も労力もかからないことを学校は十分に知っているので、英語力が入学合否の決め手にはなりません。しかし、英語力がゼロでは、スタート時の学校生活に支障があるために、英語力がゼロでも受け入れてくれるスイスのボーディングスクールに1-2年在学してからイギリスに移るというのが一般的な留学コースといえます。
イギリスのみならずスイスの小学校ボーディングスクールでは、クラス外での勉強時間は1時間程度で、スポーツと音楽、芸術を日々の学校生活のなかで必須として取り入れています。以前のブログで何度かご紹介しましたが、学業以外の要素をThe Other Halfと彼らは呼んでいます。すなわち、「他の半分」というこの言葉の示すところは、学業とともにそれ以外の要素が本人の進学にとても重要な要素を占めるということでしょう。
アメリカでは小学校のボーディングスクールが実質的にないので、イギリスの小学校ボーディングスクールとの単純な比較はできませんが、アメリカのジュニアボーディングスクールとイギリスの小学校ボーディングスクールをあえて比べてみると、イギリスのほうが、進学ネットワークとその準備システムが徹底しているように思います。小学校5年生になれば進学先選定が行われて、入学したい学校の優先順位が決められますが、アメリカでは9年生からの高校ボーディングスクール進学の準備は7年生の立場では行われないと言っていいと思います。
つづく