#2 IB(International Baccalaureate)プログラムについて
ウィキペディアの国際バカロレアによると、IBプログラムは2015年11月現在で世界147の国、地域で4300校以上の学校で採用されているそうです。(日本では35校)IBは1968年にスイスのジュネーブで設立された非営利団体だそうですが、その後、その団体が開発した世界基準の初等、中等教育プログラムも指すようになりました。その大きな特徴として「全人教育」を目指して作られていて、知識だけでなく大学での専門学習の基礎を作るような工夫が随所にされています。
先日のブログでは、このIBがアメリカの中堅ボーディングスクールでも採用されるようになる反面、テンスクールズやランク4の学校では、IBプログラムを採用しているところはないというところで終わりました。
ランク4以上の難関ボーディングスクールでは、生徒たちが履修できる科目数が多く、それぞれの学校独自で世界から生徒を募り、その多様性(Diversity)を尊重するとともに、スポーツ、文化、社会活動にも力を入れているがゆえに、IBの導入はしないということになります。
ランク3のボーディングスクールにおいては、教育のクオリティーをより高めるためにIBプログラムを導入することは、極めて合理的であり、既存の施設や人材を最大限に生かすことができるのではないかと思います。
世界で4300校以上の初等、中等教育機関がIBを導入している事実から考えても、このプログラムが世界のインターナショナルスクールを中心として拡がり、さらに各国の教育機関にも波及しつつあることがわかります。
では、このIBプログラムとアメリカの通常の高校プログラムでは何がどのようにちがうのでしょうか。その顕著な特徴として、IBプログラムそのもののなかには、体育あるいはスポーツ、そして音楽に関する学習はありません。すなわち、既存の学校にIBプログラムは導入するように考えられています。
6科目の教科そのものの学習は、アメリカの通常の高校で行われている学習と極端な差はないと思います。しかし、4000字のエッセイ、(エッセイをあえて日本語に訳すならば、小論文ということになると思います)、知識の理論(Theory of knowledge)、課外活動(Creativity/Activity/Service)150時間という学習教科以外の課題が与えられているところが、IBの目指している全人教育の核にもなる部分であると思います。