ジュニアボーディングの動向 2020-2021年版
今年も9月から始まる新学期に向けて、ボーディングスクール及びジュニアボーディングスクールの一通りの結果が3月の初旬に出揃い、合格に向けた長い道のりはとりあえずここでひと段落ということになります。
今年はコロナの影響もあり学校訪問ができない、TOEFLジュニアの試験が受けることが出来ない、そして学校訪問ができないなど異例ずくめの年となりましたが、学校の教育者としての柔軟性や安全に対する徹底した姿勢など今までは当たり前に感じていた事の重要性に改めて目を向ける良い機会となりました。
今年もジュニアボーディングスクールについて振り返ってみたいと思います。以下が今年、私がサポートをする子供たちがアプローチをした学校のリストとなります。
Cardigan Mountain School（NH、男子校、総生徒数：225名、寮生：87%）
Eaglebrook School（MA、男子校、250名、75%）
Indian Mountain School（CT、共学、300名、42%）
Rectory School（CT、共学、250名、65% 10%UP）
Rumsey Hall School（CT、共学、309名、54% 10%UP）
Fessenden School（MA、男子校、511名、20%）
今年は例年11月ごろをピークに賑わうアドミッションオフィスも現地の学生以外に訪問はなかったはずなのでとても静かな状況だったのではないでしょうか。今年までの数字についてはコロナの影響をあまり受けていないはずなので、どこの学校も総生徒数については大きな変動はありません。
Rectory SchoolやRUmsey Hall Schoolは寮生の割合が１０％ほど昨年よりも高くなっています。
ジュニアを含めたボーディングスクールの入試プロセスは、日本の一発受験的な発想とは対極にあるといえます。学校のよっても異なりますが大体が以下の書類とインタビューが揃った時点で合否の判定を行います。
・生徒のエッセイ（英文）
・親のエッセイ（英文）
・数学の先生からの推薦状
・英語の先生からの推薦状
・校長先生、教頭先生からの推薦状
・自己PRエッセイ
・過去3年間の成績表
（※入学申請をする学校によって詳細は異なります。）
去年の段階で、SAO（Standard Application Online: SSATウェブの中にあるオンライン出願システム）による出願にRumsey Hallが移行したことについては以前お知らせしましたが、今年は新たにRectory Schoolが完全にオンライン出願に移行しました。
基本的にはどこの学校もRolling Applicaitonの形式を採用し特定の書類完成締め切り時期は設けていませんが、一般的には2月の上旬までには書類を完成しオンライン上にアップロード、申請料の支払いを済ませ、インタビューの日程を調整するスケジュールで進めておく事が好ましいと言えます。 また教育環境を維持する上でダイバーシティー（多様性）を重要視するボーディングスクールにおいて状況によっては特定の国の生徒からのアプリケーションについては締め切りを設けている場合もありますので、毎年SAOや学校のホームページにある締め切り日をしっかりとチェックしておく事がとても重要になります。
今後もペーパーベースの申請からオンラインに切り替わる学校は多くなる一方だと言えます。メリットは多いですが、推薦状を書く日本の先生方にとっては難しい側面もあります。また学校の成績表についても小学校の段階のものについては英文で発行してくれる学校は少ないと思います。プロの翻訳業者への翻訳依頼をする作業の時間についても今後は考慮していく必要がありそうです。
また、今年についてはTOEFL Jrの受験が世界的に困難で、その代替案としてDuolingoの成績を英語力の基準として認めてくれる学校の多が印象に残りました。
このテストは１時間ほどで完了する完全オンライン型の英語能力試験ですので、今後もこのテストが認められる様になるのであれば、子供たちのとっての負担は少し軽くなるでしょう。 他の試験同様に慣れと集中力を要する試験なので準備は必須となります。
ジュニアボーディングは英語力を求めてくる学校は少ないですが、もちろん英語力があった方がその選択肢が増え、合格する確率が上がることは間違いありません。そして何よりも、留学をスタートさせた子供たちにとって、最初の数ヶ月間の精神的な余裕が生まれます。
英語については早めに準備することに越したことは無いでしょう。
次回はインタビューの準備について少し触れていきたいと思います。
