ジュニアボーディングスクールのインタビュー
前回からの続きです。
ジュニアボーディングスクールもボーディングスクールの入試同様に書類審査だけではなくインタビューも行われます。
これはアメリカの進学校においては一般的であり、その人を知る上で最重要事項という認識があると考えられています。それは日本で言えば小中学生年齢のジュニアボーディングスクールからアメリカの大学の入試においても同じプロセスを持って合否判定するところからも読み取ることが出来ます。
アメリカのボーディングスクールの面接は通常30分〜60分ほどとなっており、経験上、良い結果がもたらさせるインタビューは大体の場合1時間近い時間を使ってインタビュー担当者も生徒の事をしっかりと理解しようとします。 一方でジュニアボーディングスクールの場合は英語力がさほど求められない場合も多いので、時間的には15分〜30分ほどが一般的と言えるでしょう。
基本的に私がボーディングスクールのお世話をする生徒・ご家族は現地へ学校訪問をすると同時にインタビューを受けるパターンが多いのでオンラインでのインタビューはケースとしては稀です。しかしながら、今年に限ってはインタビューは全てオンラインとなりました。 オンラインと言えどもインタビューアーはプロなのでしっかりと子供たちの表情や体の動き、話の内容をチェックしています。 インタビューが終わった後、通常、私はインタビューアーと面談の様子について話をする時間をいただきますが、彼らは子供たちの、細かな顔の表情や体の揺れまで細かくチェックしていてとても驚きました。
一方でインタビューを受ける当事者である子供、ご家族も気持ちの切り替えが大変なようです。一般的に現地の早朝、日本時間の夜11時ごろにオンラインで面談は行われますので、子供たちのとって、もう寝る時間である場合も多く、また数分前までは普段の生活を日本語でしている訳ですから、突然アメリカとつながって面談のようなプレッシャーのかかる場面に気持ちを切り替えることはなかなか難しいようです。
しかしながら、あまりにも前からPCに向かって準備をするのも肝心な面談中に集中力が切れてしまう場合もあるので、あまりお勧めできません。大体は面談の始まる15分ほど前にPCで子供、ご家族、そして私の3人で軽く英語での会話でウォーミングアップを行います。そこから5分前には指定のオンラインプラットフォームに接続して、インタビューアーが来るのを待つという流れが一番スムーズでしょう。 服装はもちろん正装です、画面の後ろに映り込むものについても意識してセットアップをする事も大切です。
私のサポートする子供たちはインタビューの練習も入念に行います。今年に関しては全てオンラインで練習を行いました。オンライン独特の間合い、そしてマイクから聞いていて心地の良い声質、スピードで話す練習をしていきます。アメリカのインタビューは一問一答形式でもなければ、期待される常套句などものありません。カジュアルなコミュニケーションを通して、インタビューアーは子供たちの性格や個性を読み取っていきます。そのための対策として、子供たちは、ありのままの自分をより深く知った上で、それを言葉にして表現することが重要になります。自分の興味や趣味、情熱を燃やせるものについて、ボーディングで学びたい理由、家族と離れてまでアメリカで勉強をするメリットなど子供なりにしっかりと考えて表現できる様になるまで練習を重ねます。 彼らの質問の多くはYES, NOだけで答えられるものではありません。WHYへと続く質問ですので、その答えを子供たちが自ら知っておく必要があります。
学校のレベルにもよりますが、ESLのある学校においては現時点での英語レベルについては重要視しないところも多くあります。その場合、一生懸命相手に伝えようとする熱意や顔の表情の豊かさなど、多面的に評価をされる事を念頭に準備をしていきます。そしてその為には家族やコンサルタントとの対話を通して、自分自身がなぜボーディングスクールで勉強したいのか? なぜ自分がこのボーディングスクールで上手くフィットできるのか?をしっかると理解し、伝えられる準備をし、それを自分の熱意に転換していく作業を通して準備をしていきます。
3ヶ月〜半年間の準備を通して子供たちはインタビューに合格できるだけの素地を英語力だけでなく、内面的な部分も含めて作り上げていきます。