留学生が夏休みの期間に取り組むべき事。③
留学生が夏休みの期間に取り組むべき事の3回目。前回はReadingの重要性について触れていきましたがWritingについても自らの勉強の成果を存分にエッセイという形で表現するためにはこれもまた重要な要素と言えます。エッセイについては提出期限が決まっていて、それまでに仕上げれば良いという形式で取り組む事が多いので時間的な余裕があるように感じる向きもあるかもしれませんが、生徒たちは日々、複数のエッセイの提出に追われながら学習をしています。一つのエッセイに時間をかけていると、その他に手が回らないという事態に陥ることもあるでしょう。
エッセイを書くにしても、その元になるソースは自分の意見をただひたすら書くのではなく、それぞれの自分の考えに対してそれに関連するエビデンスをReferenceという形式で必要に応じて引用していかなければエッセイの評価も高まりません。そう言った意味でもWritingに付随する形で、Readingのスキルの重要さは増してきまので、詰まるところReadingのスキル向上がWritingのスキル向上のための伸びシロを作るといっても過言ではありません。
留学生がReadingのスキルを伸ばすためにはどうしたら良いのか? これを今日の本題にしたいと思います。
結論から言うと、TOEFLの対策をすることを勧めています。その理由として留学生である限りその後の進学においてTOEFLの点数は常に求められるということがあるため、学校が休みのこの時期にこのテストに慣れ親しんでおく事はタイミングとしては絶好の機会である事が一つ目の理由。そして2つ目の理由は、アカデミックな内容の文章に慣れ親しむというところにあります。Readingはとにかく量をこなす事で読むスピードが上がります。今年、アメリカの大学に進学をした私がサポートをした学生と久しぶりの日本での再会の際に留学当初の彼が苦労した点についての話になった際の彼の言葉が印象に残っています。
「読めるとそれを理解できる事は全く別物ですよ。」
これは非常に的を得たコメントだと感じます。基本的な文法と英単語力を増やしていけば、確かに文章を読む事ができます。実際、大学受験まで英語を一生懸命勉強した日本人であれば、かなりのレベルの英語の文章は読めると思います。しかしながら読み終えた時に、どれだけの言葉が頭に染み入ったでしょうか? 読んでいる内容を理解し、俗にいう「腹落ち」させる事はただ単に「読む」のとはまた別の次元のステップを踏む必要があります。
「読みなが理解する事」
読書量を増やしても、その内容を確認するためのチェック手段がないと本当の意味で「理解しながら読む」というスキルを身につける事は難しいと考えています。そう言った意味でTOEFLのReadingは700文字程度のパッセージを時間内に読み、それを理解し、設問に答えるというステップを踏む必要があるので文章理解というアプローチにおいて、とてもプラクティカルな訓練と言えると思います。また、授業のディスカッションやエッセイの際に活用するアカデミックな英語も頻出するので、友達との英会話レベルからの脱却という意味でも有効性のある勉強方法だと思います。
TOEICの高得点を目指すという意味ではその道のプロの方々がいらっしゃるのでこの場でのコメントは控えますが、以上は私が夏休みに帰国をした生徒たちにお勧めしている自分の課題を見つける作業(Check)からの具体的な作業(Action)としてReadingスキルを上達させるためのTOEICの有効性について触れていきました。
今回の例は一般的なものですので、個々人でその課題感は異なります。一人一人がPDCAサイクルを回す事でその課題感を「見える化」し、それに取り組む事ができる時間が持てる、そんな貴重なチャンスが「夏休み」であると捉えてもらいたいと思います。