コロナを言い訳にしない、考える力を養うこと。①
情報のあふれるインターネット上の情報にあって学生や教育に関連した記事はふと目に止まる機会が多く今回のこんな記事に目が止ました。
“「このままコロナが収束しなければ、『ガクチカ』のない新卒学生ばかり採用しなければならなくなる」。ある大手総合商社の採用担当者はこんな懸念を抱く。ガクチカとは、企業のエントリーシートの設問や採用面接で新卒学生が決まって質問される「学生時代に頑張ったこと、力を入れたこと」の略語だ。学生にとっては、就職活動での大きなPRポイントとなる。” (JIJI.com 引用:https://www.jiji.com/jc/v4?id=202105keizaihyaku0060002)
ガクチ力という言葉を私は初めて聞きましたが、その定義は「学生時代に頑張ったこと、力を入れたこと」ということのようです。
この記事を読んでまず私が思い浮かべた事は日本の履歴書です。日本の履歴書は読者の皆さんも馴染みがあると思いますがアルバイトで提出するものから、就職活動、転職活動で利用するものまで形式は基本的に変わりません。項目も左半分には個人情報と学歴、右半分には資格と自己PRそして志望動機という項目が並びます。
この項目に沿って記入をしていく事で履歴書は自動的に埋まっていきます。
一方でグローバル企業などへの転職などに利用する履歴書を見てみると日本のものとは全く異なります。具体的には統一のフォーマットというものは存在しません。ある程度のカタチはありますが、各項目のスペースや項目ごとに丁寧に「書くべき事」が設定されている日本のそれとは大きく異なります。自らが「何を伝えるべきか?」これを考えなければグローバル企業に求められる履歴書を書き始める事さえ出来ません。
「皆が埋めているからこの枠を埋めなければいけない」という概念は無く、そこにあるのは自らが得意とし伸ばしてきた事を元に自由にPRするまっさらな紙面だけです。
コロナ禍で学生たちは大変な苦労を強いられています。学校に通うことの出来ない辛さや友達と気軽に会えない寂しさは時間の限られている学生たちにとっては大人のそれとは全く異なる重みを持つと思います。
一方でそれがそのまま、「ガクチ力」が無いと判断してしまうロジックにはならないと考えます。過去問のような模範解答があるような世界においては、今年の学生たちは確かに例年の学生たちが経験してきた事を経験していない部分もあるので、”ベスト”な回答で履歴書や志望動機書を埋めることはできないかもしれません。
その部分で悲観的になってしまう前に、日本の履歴書的な考え方から脱却する事。Outside of the Box的な考え方をしてみて欲しいと考えます。自己PRは模範的な回答に自分を近づけるためのものでは無く、自らの経験を通して学んだ事を自己PRする場と考えてもらいたいと思っています。
実際にこのコロナ禍をきっかけに積極的に動いている生徒・学生たちも沢山います。こんな状況だからこそできる事を自分なりに考えて実行する事。今、グローバルな企業が求めているのはこんな力を持つ学生たちです。次回はこんな状況だからこそのアイデアで集まる高校生たちに焦点を当てていきます。