2023年 秋版 ボーディングスクール留学準備の傾向 Vol.2
東京を拠点としている株式会社KITEのEコンシェルジュ事業部は、2023年度の進学に向けてのサポートをしている子どもたちだけをみても東京を中心とした関東エリアの方々が多いですが、実はそれ以外の都市圏の方々、そして海外のお子様もサポートをしています。割合で言うと7:3ぐらいでしょうか。そのような状況ですので、東京のオフィスに出向くこともあれば最近では在宅をする機会が圧倒的に増えました。それでもITを駆使することでオフィスにいる時と遜色のない生産性で仕事がでます。特に海外とのミーティングのある日は早朝や深夜に在宅にて仕事をすることも多くなりました。数年前までは考えられない働き方がコロナ禍をきっかけに、社会全体の意識改革とそれをサポートするITの進歩によってもたらされました。
ITの進歩という話題をもう少し続けさせてもらいますが、嬉しいことに先日のブログを読んでいただいている読者の方からData Analyticsの事についてもっと知りたいというお問合せをいただきましたので、留学という枠に限ったお話の中で、少し補足をさせてもらいたいと思っています。
Data Analyticsの定義はGoogleで調べてもらえれば、特にコンサルティングファームのウェブサイトなどでその情報を読み取ることができます。同時に業界によってもその使われ方が異なるため、厳格で単一の意味合いではなく広義な意味でData Analyticsという言葉が使われると理解していますが、つまるところ、データを活用して目指すゴールを最短で達成する事がその利用法となります。
それでは、ボーディングスクールのリクルーティングにおけるData Analyticsとはどのようなものでしょうか?
それを理解するためには、ボーディングスクールのリクルーティングの動機を理解する必要があります。ズバリ、その動機とは入学後により良い成績で学校を卒業し、より良い大学に進学をする可能性の高い学生の採用です。
Admissionプロセスにおいて以下の要素を持って彼らは各学生を分析、評価をし、最終的に合否を決める事になります。
- 出身校
- SSATのスコア
- TOEFLのスコア
- 学校の先生による推薦状
- 面接で評価
- 成績表
今までと変わらないじゃないか?というツッコミが入りそうですが、データのインプット側は過去と何ら変わりません。しかしながら、得られたデータの消化のされ方が過去とは異なります。
留学生であれば、「TOEFLの点数が〇〇点ほどのレンジで学校の成績が〇〇あたりのレンジの生徒はシニアイヤーになると成績が現地の学生よりも伸び率が高いのでこの留学生は期待ができる」というコミュニケーションが今まではある程度経験則で行われていたものが、統計データとして明確な根拠を持って、すぐに見えてくる訳です。
つまり、SSATが引き続き今年もオプショナルとなっている理由として、Data Analyticsは過去のデータや他の数字との相関性を元に未来を予測しますが、三年間のコロナ禍は入学〜進学〜卒業までのSSATスコアなしで入学した子どもたちのデータを学校側としては十分に収集できていることを意味すると思います。だからこそ、ボーディングスクールとしてはSSATの復活を焦ることなく、今年のアドミッションをスタートさせたものと予測します。
しかしながら、ボーディングスクールのアドミッションの奥深いところは、数字だけでは敢えて合否を決めないところにあります。いろいろなジュニアボーディングスクールのSecondary School Admission(進学進路課)の担当者と話をしますが、過去も現在でもSSATのスコアよりも何よりも圧倒的にその合否に関わるウェイトとしては面接の比重が非常に高いということは共通の認識になっています。
結論としてはData Analyticsではある程度の学校の求める生徒のレンジを測ることはできますが、最終的な合否の決め手はやはり、面接によるところが大きいという事になります。