機内食とインタビュー / JAL ボストン行きの機内にて。
今年もインタビューのための学校訪問の時期になりました。
私はこの文章をJAL008便、ボストン行きの機内で書いています。
通常、私は機内では寝ることなく普段できないことに手をつける時間として12時間のフライトを利用しています。ブログについてもネットの繋がらない環境で書いた方が集中的に書くことができるので、いつも機内では数本書くようにしています。
今ちょうど、機内で食事を終えたところですが、多分JALのエコノミークラスの食事がとてもユニークで面白い試みをしていたので、そこから色々と考えを巡らせてみました。
想いに耽ることができるのも、またフライトの魅力の一つです。
ちょうど、コロナ禍最中、やっとアメリカへの入国ができるタイミングになってから3回ほどJAL便でアメリカに渡航する機会がありましたが、エコノミークラスの食事は、JALの説明をそのまま引用すると「食プロデューサーの狐野扶実子氏と、若き才能を発掘する料理人コンペティション「RED U-35」のファイナリスト6人がJAL国際線エコノミークラス機内食をテーマに開発したものらしいのです。
実際に座席正面のディスプレイでは、シェフの方々が試行錯誤している様子、その食事がどのような想いで、どのようなこだわりを持って創作されたのかを動画として紹介されています。
この動画を見ながら食事をすると、実際に味も一般的な機会食と比べると美味しいのですが、いつも無機質に感じる機内食の一つ一つの食材がイキイキと意味のあるものに見えてくるのです。同じものでも、ここに来るまでのストーリーが明らかになることで、一つ一つの食材が意味を持ち、味覚にまで影響を与えるのですから、その力はすごいものです。
留学コンサルタント的アプローチで考えてみました。
これからボーディングスクールのインタビューを受ける子どもたちは皆優秀で素晴らしい才能を持った子どもたちです。人とは違うスキルを持った子も大勢います。しかしながら、その素晴らしさをただリストアップしてアドミッションスタッフに話したり、見せたりところで、それは厳しい言い方ですが「無機質な機内食」と同じです。残念ながら強い印象を相手に与えることはできないでしょう。
その素晴らしい才能を得るために、どんな努力をしたのか?何を学んだのか?どんな問題を克服してきたのか? これらのバックグラウンドストーリーをしっかりと語れることで初めて、それぞれの「食材」が輝きを持ち始めるのです。
自分の得意なことばかりを語っていてもいけません。味わうのはシェフ(語り手)ではなくて、実際に食事をする人(聞き手)です。どうしたら、相手に伝わるのか?その思いやりを持ってインタビューに臨むことが出来れば、その時はきっと、インタビューアーは皆さんに子供たちの魅力、ひとつひとつをしっかりと味わって食してくれることでしょう。