子供がホームシックにかかったら・・・Vol.2 。(親の対処法も)
今回のホームシックをテーマとしたブログの舞台であるニュージーランドに先週まで数日間という短期間ですが滞在をして学校を回ってきました。
前回のブログで取り上げたホームシックについて、結論から申し上げると、あれだけ大きな話題となっていたホームシックに関する相談はパタリと止み、現地で再会を果たした生徒たちはとても元気に現地でできた新しい友人たちと楽しそうに談笑をしていました。
今回の訪問でも、St. Peter’s School Cambridge の Internatioal Director Laureeさんは今回の一緒にニュージーランドの学校を訪問した生徒に留学生の心の移り変わりを表した図を持って解説をしていました。実はこの図、私もほぼ同じものを大学院で留学をする学生に対する「危機管理講習」というレクチャーで説明しています。見た方が早いのでそのページを抜粋します。
レクチャーでは参加者に対してこのグラフが意味するところについて問いかけをしますが、その答えはこの画像には出ています。この黄色い線が表しているのは留学生が現地の留学環境に対する満足度の推移となります。
いかがでしょうか? このグラフはポイントを伝えるためにかなりシンプルに表現していますし、時間軸(赤の水平ライン)については人それぞれ異なります。しかしながら間違いなく留学生たちはこの波を体感することになります。
今回のケースで言えば、最初の数日は子供たちは学校の気遣いと適度の緊張感を持ってなんとかやり切ります。留学生は既存の生徒にとって母、目新しい存在であり、最初のクラスでは自己紹介などもされます。他の生徒たちも興味津々に話かけてくれることもあるでしょす。 最初の数日を修学旅行的な気分で過ごしている間はとても満足度も高くなります。
しかしながら、それは長くは続きません。だんだんと「特別な日々」が「日常」となりこの生活が長期間続くことを現実として受け止めるタイミングで子供たちは1回目のホームシックを迎えることになります。上記の図においても当初の高い満足度から一気に可能性を辿っていることがわかります。
このタイミングで子供たちは先のブログでも紹介したような過激な言葉で親御さんたちに連絡をしてくることになります。
「学校に合わない!」
「差別にあった!」
「授業が全くわらかない!」
「同級生に冷たくされている!」
「日本に帰りたい!」
これらの言葉は大いに親御さんたちの心を動揺させます。家族にとっても辛いタイミングですが、ここでの対処の方法が今後の明暗を分けることになるなります。
特にSNSでのコミュニケーションが主流となった昨今は上記のような過激な言葉がテキストでその状況に至るまでの説明もないまま、届くこともあるでしょう。しかしながらこれを真に受け親側がオーバーリアクションをしてしまう事は得策ではありません。なぜならば、これらの言葉は現地の生活に慣れる途上にある子供たちの勘違いによるところが大きいからです。
これらの言葉にいちいち反応していては親の体力も持たなければ、子供も精神的に親元から独立する大切なプロセスを踏むことが出来なくなります。ここで親が先走って問題解決を図ろうとすると、子供たちが現地でサバイブするために必要な大切な人間関係を構築する機会を失ってしまいます。また、一度「親が解決してくれる」という習慣ができてしまうと、そこから子供たちの留学に対するスタンスを立て直す事は至難の業です。
ここで親ができる事は限られてきます。静かに背中を押してあげてください。「辛いよね、でも自分で決めた事だから。今が一番辛い時期だけど、これから良くなっていくだけだよ!」親が冷静になることがとても重要です。
そして1ヶ月もすれば、毎日電話元で泣いていた子供たちが、「友達と出かけるから電話切るね!」と言って素っ気ない態度になるものです。子供なりに日々の生活の中で、なんとか生き残る術を学び、留学環境においての自分の居場所を見つけて、自信を深めていきます。(この図においては後半部分の満足度が安定期に入るタイミング)
もちろん、見逃してはいけないサインもありますので、特に留学初期はコンサル、学校との密なコミュニケーションを取りながら、遠すぎず近すぎず子供たちを見守っていくことが大事になります。