夏の終わり。サマープログラムの成果。(切磋琢磨をする環境の大切さ。)
日本はまだまだ茹だるような暑さですが、ちょうどこのブログを書いているタイミングは海外で短期留学をしてきた生徒たちの帰国ラッシュの週末です。今年も、アメリカ、ニュージーランド、イギリス、そしてカナダと色々な国からひと夏を海外で過ごした子供達が戻ってきています。
帰国してきた生徒たちは一様に「海外でやっていけた!」という自信に満ちた表情で家族のもとへと戻ります。空港で親御さんはその変化を驚きを持って迎えるのは恒例となっています。そして、子供たちが持ち帰って来たその自信の根源は間違いなく、留学中の「環境」が与えてくれたと言えるものです。
今回は、能力を育むに当たって周りの環境の重要さについて話をしていきましょう。
冒頭から話は飛びますが、私は日々のトレーニングの一環としてサイクリングをしています。
少し空き時間ができれば自転車に乗って30分〜120分ほど気分転換のために自転車を漕ぎます。この暑い日差しの中でも風を切って走っている分には気持ちが良いものですが、私の住む横浜は川沿い以外に平地があることのほうが稀で常に坂道との格闘することになります。普段一人で漕いでいる分には自分のペースで、限界まで頑張ってそれでも駄目な場合は自転車を降りて手押しでやり過ごすこともあります。
そんなつらい坂道ですが、私のサイクリング仲間と一緒に走っているときにはそんな生易しい事は言ってられません。私が自転車を押して歩いていたら、どんどん先に行かれてしまいますから必死になって付いていきます。でも不思議なことに仲間がいると、一人では到底登りきらない坂道をなんとか足をつかずに登りきれてしまいます。
ジムでのトレーシングでも同じです。腕立て伏せなど自宅で誰も見ていないところでやってもすぐにギブアップですが、周りに人がいたり、グループトレーニングに参加すると、自宅でのトレーニングの2倍ぐらいの回数をこなします。筋肉が悲鳴を上げても、歯を食いしばってでもやり切ることができます。
一人でいる時に自らが頭の中で勝手に創り出す「限界」とは多分その程度のものなのでしょう。
だからこそ、何かを頑張るに当たって、周りの環境はとても大事です。
以前の私のブログでも紹介をしていました、日本で行われたEaglebrook Schoolのサマープログラム。このプログラムの最終日のプレゼンを東京虎ノ門ヒルズに見に行きました。このプログラムのユニークなところは英語力は問わないところにあります。英語がとても上手な生徒もいれば、今一生懸命勉強中の生徒もいます。
英語がそこまで話せない子は英語を話せる子をみて、どうしたらこうやって話せるだろう?と考えます。英語が話せる子は英語がそこまで話せない他の参加者に対してどうやってコミュニケーションを取ればよいだろう?と同じく考えます。
様々な英語レベル、バックグラウンドの子供達が一緒に学ぶことで多様性を肌で感じます。そこで学べることは英語力以上の価値があります。そして、彼らに共通しているのはプログラムの最終日には皆の前で自分で興味を持って、自分で決めた研究について発表を行います。中学生年齢の子供たちにとっては間違いなく「激坂」です。
私のサイクリング同様、一人で勉強をしていては, 「別にいいや・・・」と投げ出していたかもしれない課題や、一人では課題とさえ思っていなかった課題に気づき、一人では考え付かなかったアイデアを思いついたり。Eaglebrookの先生、アシスタントの現役の学生たちといった周りの人達に期待され、背中を押されて、登れそうもなかった「坂道」をどんどんと登り切ります。
参加当初は「英語でプレゼンなんて無理!」と思った子もいるでしょう。でも今回参加した子どもたちは見事に自ら興味を持った課題を見つけて、すべて英語で自分の考えを大勢のオーディエンスの前で見事に発表し終えました。
参加者全員が、それぞれに考え、オリジナリティ溢れるプレゼン資料を作成し、人に伝えるためのストーリーを考える。これをやり遂げることが出来ました。これは、周りに課題は違えども、最後のプレゼンに向けて一緒に頑張る仲間たちがいた「環境」があったからこその成果と言えるでしょう。
その子にとって適切な「環境」が与えられることで、子供たちは自分が思う以上の能力を発揮し始めます。だからこそ、その子の潜在能力を伸ばすための適切な学びの場をセレクトしてあげることが大人ににできる役割として大切です。
そしていよいよ、新しい学期、学年が始まります。