2021 サマープログラムの魅力/ Cardigan Mountain School Webinarより
Webinarという言葉も留学業界にのみならずこの一年でとても一般的な言葉になったように感じます。この業界においてはこの言葉は確か3年ほど前から、各教育機関が紙ベースの資料の配布を廃止し始めてから少し経った頃に一気に広まりました。
最初は抵抗があったものの、慣れてしまえばこれほど便利なものはないと感じるほとになりました。大人でさえ環境の変化に柔軟に対応ができてしまう柔軟性を持ち合わせていますが、多感で感受性の高い子供にとっての環境の変化はどのような変化をもたらすのでしょうか?
今回は前回のブログでも紹介をしたカーディガンマウンテンスクールのサマープログラム (Cardigan Mountain School Session)のウェビナーに参加した時の様子をもとに、プログラムの詳細について主にDirector of Summer ProgramsのMs. Korinne NevinsとMr. Kris Langetiegのコメント、そしてCampus LeaderであるZeno君とBellaさんの経験者としてのコメントを通してこのプログラムの魅力に迫っていきたいと思います。
彼らのコメントから読み取れるプログラムの魅力は、一般的に質の高いサマープログラムにおいては共通している部分が多いと感じます。このプログラムに限らず、子供をボーディングスクールに正規留学で送ることを考えていらっしゃる親御さんにとって非常に参考になるのではないでしょうか。
今回のプログラムの詳細です。
場所:Cardigan Mountain School キャンパス内学生寮(今回はボーディングのみの開催)
定員:152名(通常は複数回のセッションがあるが今回は1回のみ)webinarが行われた時点での Enrollment数は約90エンロールメント(申込み)
日程:7/3 – 7/29 (2021年)
生徒:スタッフ比率=6:1
アドミッション:ローリングアドミッション(問合せベースでセレクションが行われる方式)
プログラム:トータルで約55のプログラムがあり個人個人で好きなプログラムを元にカリキュラムを組み立てていく方式。ESLコースもあり。
その他の詳細はウェブサイトに詳しいので1度目を通すことをお勧めします。
Ms. Korinne NevinsとMr. Kris Langetiegが特にこのプログラムの意義として強調していたのは、このプログラムが行われる短期間で成長する子供たちに毎年のように驚いているという事。これはコンサルタントとして毎年、中学生、高校生年代の子供たちを夏休みの期間に約1ヶ月間の留学に送り出す私も全くの同意見です。
出発前の空港で家族のもとを離れていく子供たちの面持ちは一様に不安で一杯です。そしてそれを見送る親も全く同じ気持ちである事は容易に見てとる事ができます。
しかしながら、1ヶ月後、親御さんたちは空港で自らの子供の変化に驚きます。毎回私もこの瞬間を空港で目の当たりにしますが、子供たちの表情の変化、話し方を含めた立ち振る舞いの変化はご家族にとっては驚くほかありません。この短期間で一体何が起こったのか?今回のWebinarではその部分にフォーカスして話がされていました。
まず、キャンパスに到着した子供たちが出会うのは500エーカーを超えるCardigan Mountain Schoolの広大な自然の素晴らしさと新たな友人たちとの出会いです。
キャンパスリーダーとしてとてもしっかりと語り口のZeno君も数年前にこのプログラムに初めて参加した時にはホームシックにかかったと言います。まず、生徒たちは新しい環境での生活になれるわけですが、Mr. Kris Langetiegはとてもユニークな表現をしていました。「子供たちは自分たちのルールや習慣を現地に持っていって生活をします、そこでルームメイトやクラスメイトとの一緒に暮らす事で、それぞれの違いについて理解をし尊重し合うことを覚えるのです」(意訳)まずは今まで当たり前であった自分だけの価値観は実は他の参加者には通用しないことを子供たちは身をもって経験をします。同じ国の生徒同士でも違いがある中で、それが世界中から集まる生徒同士であればその違いはさらに際立つはずです。
それだけでもすでにチャレンジングな体験ですが、Mr. Kris Langetiegは続けます。自分が育ってきた環境では体験してこなかったこと、自分の生活を自分で面倒見ること、ベットメイキングやゴミ捨てなどの日常的なことももちろん、その他に、湖でのセーリングだったり、山登りだったり、芸術だったり、さらには湖に飛び込んでみたり、大自然の中で日光浴をしてみたり、ボーディングスクールのプログラムなので学業をする事はもちろんとても大切な事だけれども、それよりも何よりも、一人一人が自信を持って生活をできるようになる事。この部分にプログラムとしてフォーカスをしているとおっしゃっていました。” We are here for challenges” チャレンジをする生徒たちのための我々教師がいる。これほど心強い言葉はありません。生徒たちは失敗を前向きに捉える事ができるので、恐れる事なくチャレンジをしていきます。失敗の先にある成功をもって、彼らは少しづつ自信を持つ事に成功します。失敗を恐れさせない。これはボーディングスクールに共通する教育哲学だと私は考えていますが、この学校のサマースクールでも存分のその教育的アプローチを体験することができるでしょう。
近年では今までは当たり前だった上記のような環境づくりにおいてそれを支える大人たちは新たなチャレンジに挑む必要が出てきました。いわゆる「スマホ問題」です。この小さなデバイスはプログラムの根幹を揺るがす力を持っていると言っても過言ではありません。Ms. Korinne NevinsはこのWebinarで明確な彼らの指針を示していました。このプログラムはITプログラムではなく、参加する子供たちが対面での交流の素晴らしさを身をもって体験する事であり、そこにデジタルデバイスが介入する必要はないと考えている、そのため基本的にデジタルデバイスは学校側が管理をする事になるとのこと。しかしながら、親との連絡が完全に途切れるわけではなく、キャンパスにはネットにつながるPCなどもあります、電話もありますから、ほんの数年前までの参加者がしていたように家族との連絡ができるという訳です。
もちろん、コロナに対する彼らの対策は万全ですが、プログラムの本質である参加者同士、先生やキャンパススタッフとの交流と言った本質は変わらずに提供される事を強調していた事がとても印象的でした。
このブログは最後にZeno君のコメントで締めたいと思います。彼のコメントこそが、短期間で成長して帰ってくる子供たちの気持ちの変化を端的に表していると思います。このプログラムで一番印象に残っている事は?という質問に対して、その一つに「キャンプファイアースピーチ」と答えています。キャンプファイアースピーチとはキャンプファイアーを囲んで集まった参加者の中でみんなの前で自発的にスピーチをしたい子供がみんなの前のスピーチをするイベントの一つです。そこでその時点で彼の中でのベストスピーチを8歳の参加者から聞きました。「最初はこのキャンプに参加する事が嫌で仕方が無かった、けれども2週間経って今思う事は家に帰りたくない!という気持ちです。」これを聞いた参加者たちはみんな目が潤んでいたとのことでした。私も何度も参加者同士の別れの機会を目の当たりにした事があるので、それを思い出すだけで涙腺が緩みます。
自分たちだけで海外で頑張れた経験、そしてホームシックや様々な失敗を乗り越えて得た友情や自信、そう言ったものが相まって、その結果として空港に降り立つ子供たちの変化を親御さんたちは驚きを持って迎えるわけです。
サマープログラム のアプリケーションプロセスはすでに開始しています。ご興味がある方はお問い合わせください。